NPO法人 IBDネットワーク

このサイトは潰瘍性大腸炎とクローン病の患者会の全国組織である、NPO法人IBDネットワークがNPO法人健康と病いの語りディペックスジャパンの許可を得て作成したものです

トップ

潰瘍性大腸炎の語り

トピックスの分類

トピックスの大分類として以下の通り、「発見」「症状」「内科的治療]「外科的治療」「生活」の5つに分類しました。そしてその中を「異常の気づきから診断まで」などのような中項目に分類しました。また必要があれば、ウェブページ上でクリップを並べるときにさらに小分類に区分しています。

発見

・異常の発見から診断まで

潰瘍性大腸炎の最初の症状は下痢と出血というのが典型的なもので、自分では痔と判断してしまうことも多いようです。そして昔はなかなか正しい診断がつかなかったケースもあったようですが、最近は比較的早く診断がつくようになりました。
発病のきっかけは職場の異動であったり、離婚であったり、転校であったりと生活環境の変化によるという方もおり、そのことが語られています。

・診断された時の気持ち

診断された時に潰瘍性大腸炎という病気のことを知っている人はほとんどいません。ですから、それがどういう病気でこれからどうなるのかみんな不安な気持ちになるものです。特に専門医ではない医師の場合「これは難病で一生治りません」などということをいきなり宣言してしまう医師もおり、悲観してしまう場合もあるようです。その一方で、寛解(症状が治まる状態)を維持できれば、健康な方と変わらない生活を送れると言って下さる医師や医療者も多く折り、不安から救われる場合もあります。
また、再燃した時の気持ちは以下の”再燃”にも掲載されています。

・病院の選択及び医療者との関係

大都市の場合はIBDの専門医がいる病院を探すのはそれほど難しくありませんが、地方の場合はまだまだIBDの専門医は少なく、いい病院・医師に巡り合えるのは難しかったと語られた方がいました。
また、長い闘病生活のなかでうまく医師との信頼関係を築けた方、そうでなかった方の語りも含まれています。

・再燃

この病気は、一旦寛解状態(症状が治まる)になってもほとんどの場合再燃(再び症状がでる状態)します。ごく稀に初回発作型といって再燃しないケースもあるようですが、最近の専門医の見解では「それは誤診で、実際には潰瘍性大腸炎ではなかったと思われる」ということのようです。再燃した時の気持ちは皆さん一様に最初の時よりもはるかにショックが大きかったと言われます。再燃して初めてこの病気の大変さを理解する人が多いのです。

症状

・UCの症状

潰瘍性大腸炎の症状としては、下痢、下血、腹痛、発熱などですが、やはり人によって症状の違いというのはあります。ここでは典型的な例の他に、ある程度特殊なケースの語りも掲載しました。

・副作用・合併症の症状

潰瘍性大腸炎の合併症なのか薬の副作用なのか判然としないケースもあります。特に骨への影響(関節炎など)はステロイドの副作用の場合と合併症の場合があります。後者の場合はステロイドを継続して服用することもあるようです。

内科的治療

・薬による治療の効果と副作用

潰瘍性大腸炎の基本基準薬としては、5ASA製剤と言われる、ペンタサ、サラゾピリンそして最近開発されたアサコールなどがあります。5ASA製剤は、副作用が少ないために、一般的には軽症の場合と寛解維持のために使われます。重症の炎症を抑えるための薬としてはプレドニンなどのステロイド薬がありますが、長期に使うとさまざまな副作用がでることが多く、最近は寛解維持のためには使わないようになりました。そのほかには免疫調節剤としてイムラン、ロイケリン、あるいは生物学的製剤としてレミケード、ヒュミラなどがあります。人によっては強い副作用が出る場合もありますが、治療薬の選択肢が増えたことにより手術を回避することができたという患者もいます。

・血球成分除去療法

血球成分除去療法とは血液を一旦採取して、白血球の中の顆粒球を取り除き、また体内に戻すというものです。この病気の原因はまだ解明されていませんが、自己免疫異常であることは間違いないので、その原因となる白血球の中の顆粒球を減らし自己免疫力を弱めると言うのが目的です。
これには主に2つの方法がありLCAPと言われるフィルターを使って濾過する方法と、GCAPと呼ばれるビーズを使って顆粒球を吸着させる方法です。

・漢方その他

潰瘍性大腸炎に漢方薬が効果があるかどうかということについては、まだエビデンスが揃っていないのではっきりしたことは言えません。人によっては効くということもあるかもしれませんが、まず最初はオーソドックスな治療からスタートした方がいいでしょう。

外科的治療(手術)

・手術の決断

潰瘍性大腸炎の手術というのは大腸の全摘出になります。大腸は横行結腸、上行結腸、S字結腸、直腸とあり約1メートルくらいの長さがあります。潰瘍性大腸炎には全大腸型といってすべてに炎症がある場合もありますが、炎症のないきれいな部分が残っていることも多いです。しかし、そのきれいな部分を残して炎症のある部分のみを切除しても、かならずその残った部分に炎症が発生することが経験的にわかっています。したがって今では大腸を切除する場合は必ず全部を摘出するのが一般的です。
また手術を決断するにはいくつかの理由がありますが、サラリーマンの場合は何度も再燃するたびに入院していては仕事を続けることができないということが大きいようでした。また、食事制限で食べたいものも食べられなかったり、便意を我慢できない状態が続くことに耐えられなかったりしたのが手術を決意した理由だという人もいました。

・手術の回避

大腸を全摘出してしまうと当然元に戻すことはできません。ですから手術を決断するのは簡単なことではありません。なんとか内科治療で手術を回避できないかと考えるのは当然のことです。また、術後のQOLにも不安はあります。1日のトイレの回数はどれくらいなのか。便意は我慢できるのかなどなど。そうやって悩んでいる間に症状がどんどん悪くなって、やむを得ず手術というケースもあります。手術をするのかしないのか。するとしたらいつするのか。患者にとって最も悩ましい問題です。

・手術の方法

術式としては1回で終わらせるものと2回ないし3回で行う場合がありますが、手順としては、(1)大腸を全摘出、(2)Jパウチを作る、(3)小腸と肛門あるいはわずかに残した直腸と吻合する、というものです。これを全部一度で行うケースと(1)と(2)を同時にして一旦人工肛門を作り、3-5ヶ月後に(3)を行い、人工肛門を閉じるというケース、また、(1)~(3)をそれぞれ別の手術で行いその間2度の人口肛門を作るケースがあります。

・手術後の状況

手術後の状態は人によって違いがありますが、術後1カ月から半年くらいは便の回数が多く、人によっては40回以上ということもあるようで、なかなか社会復帰できないケースもありますが、大体は半年くらいで5回~10回くらいに落ち着いてくるようです。勿論中には合併症を発症したり、手術の時の縫合不全で腹膜炎を起こすようなケースもあります。
しかし、今回のインタビューに答えて頂いた方々で、手術をした方は殆どが「手術をしたことに後悔はない」と言っています。

生活

・食事

潰瘍性大腸炎の症状と食事の関係はあると思われていましたが、最近の専門医の見解では、食事制限は寛解維持にそれほど重要な意味を持たないということのようです。ですから極端な暴飲暴食をしなければ、何を食べてもよいという専門医が多くなっています。そして「3回食べて3回悪化したら、その食べ物は止めればいいでしょう」という程度の関係のようですが、やはり食事には気を使っている方も多くいます。

・家族の思い・家族への思い

潰瘍性大腸炎のような内部疾患は周りの人に、それが家族でも、なかなか辛さを理解してもらえないという悩みがあります。逆に家族に心配をかけたくないという思いもあるでしょう。一方家族の方は、患者が子供の場合は親がどうしても過保護になってしまう傾向があります。子供の方も親離れができなくて、成人になっても自分の病気の治療方針を自分で決められないようなケースもありますが、今回インタビューに応じて頂いた方々は概ね自分の治療方針はちゃんと自分で決めていました。

・結婚・妊娠・出産

潰瘍性大腸炎が結婚・妊娠・出産に影響を与えるかということには賛否両論があるようですが、病気を乗り越えて結婚・妊娠・出産そして子育てを経験した方の語りが、これから結婚を考えている方の参考になればと思います。

・周囲のひととの係わり(就労・就学)

潰瘍性大腸炎は10代、20代で発症する人が多く、また寛解期は普通の人と同じように働くことができるために、逆に就業の問題が大きくクローズアップされています。就労中に発病した場合職場での理解が得られるかどうかが、その職場で継続して働けるかどうかということになります。また、新たに就職する場合に病気を隠して就職するか、開示して就職するかで、採用結果に影響するとともに、就職してからの対応にも影響します。どちらがいいか賛否両論あります。しかし、いずれにしても就労支援という形で何らかの国の支援が必要であることは言うまでもありません。

・患者会

今回のインタビューイーは患者会に所属している方が多いため、患者会に対し肯定的な意見が多くなっています。このプロジェクトは患者会への勧誘が目的ではないので、それを前面に出すことはないよう配慮していますが、患者会に助けられたという経験は事実多くありました。

・病気との付き合い方

インタビューの最後に「何か言い残したことはありませんか」という質問を行いますが、その時に多くの方が、病気との係わりの中で、自分の人生について、これからの生き方について、同病の人へのアドバイスなど貴重なお話がたくさん出てきました。それらを「病気との付き合い方」というトピックスとしてまとめました。

家族の語り

・患者家族の語り

小学4年生で発症した子供を持つ母親の語りです。子供の病気が、親と子、夫婦間の関係に大きな影響を与えたことを語っています。

0