NPO法人 IBDネットワーク

このサイトは潰瘍性大腸炎とクローン病の患者会の全国組織である、NPO法人IBDネットワークがNPO法人健康と病いの語りディペックスジャパンの許可を得て作成したものです

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潰瘍性大腸炎の語り

語って頂いた方のプロフィール KT10

KT10 プロフィール

診断時33歳、インタビュー時45歳(2015年6月)関東地方在住 3年間内科治療を続けたが寛解に至らず全摘手術を行ったが、術後の経過が悪く長い間苦しんだ。ようやく手術したのとは別の病院でメンタル面も含めて適切な処置をしてもらえて、今では普通の社会生活が送れるようになった。家族は母親と二人暮らし。

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 2003年に発症してしばらくは通院でペンタサなどの内科治療をしていたが下血が止まらず、それでも毎朝点滴を打ちながら会社にも行っていた。ステロイドは副作用が怖かったので使わないようにしていたが、どうしても出血がとまらないので最後に使ったらやはり劇的に効いた。しかしそれも8か月間で突然効かなくなり大学病院に入院することになった。
 そこでは血球除去療法なども行ったが良くならず、結局手術ということになった。手術は2回に分けて行う予定で、最初は大腸を全摘して人工肛門とJパウチを作ったのだが、手術の1週間後に腹膜炎をおこし、再度緊急手術となった。(最初の手術は腹腔鏡手術で緊急手術は開腹手術)
 その後ずっと調子が悪いまま1年後に人工肛門の閉鎖手術を行ったが、肛門がふさがったままで上手く自然排泄が出来ず、死にそうになって近所の病院に駆け込んで、手術したところとは別の病院を紹介されて、そこに2か月ほど入院した。最初の病院では「手術したら終わり」で術後のケアがまったくなかったが、こちらの病院ではきちんと適切な処理をしてもらえ、またメンタル面でのケアもしてくれたのでとてもありがたかった。その結果徐々に回復して、今では普通に社会生活を送れるようになった。
 最初に手術をした病院も、あとから紹介されて心身ともに適切なケアをしてもらった病院も同じように大きな病院で、IBDの専門医もいる病院だったけれど、担当の医師によってこれほどまでに対応と結果が違うのかということを実感した。なので、病院を選ぶにしても単にIBDで有名な病院というだけで選んでしまってはいけないということ、その医師がきちんと患者に向き合ってくれる医師かどうかという方が大事なのだということ学んだが、実際には患者には最初からそんな知識はないので難しいと言うのも事実。