NPO法人 IBDネットワーク

このサイトは潰瘍性大腸炎とクローン病の患者会の全国組織である、NPO法人IBDネットワークがNPO法人健康と病いの語りディペックスジャパンの許可を得て作成したものです

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潰瘍性大腸炎の語り

語って頂いた方のプロフィール KT12

KT12 プロフィール

診断時54歳、インタビュー時71歳(2016年4月)男性 関東地方在住 一度再燃したが薬物治療と食事療法により寛解(無症状、本人は「全治」と自己診断)が続いている。妻と娘夫婦とその子供二人の6人家族。 医療法人財団 健和会 臨床・社会薬学研究所所長 片平冽彦(インタビュー時の所属。保健学博士【東京大学大学院医学系研究科】

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 便が頻回になり血も混じっていたので病院に行ったらそのまま入院となった。腹痛、血便が続き重症だったがステロイドでなんとか収まり、結果的に2ヶ月の入院となった。仕事にも復帰して寛解状態がしばらく続いたが再燃。しかしこの時は入院せず、薬の量を増やしたり、食事の内容を変えたりすることで寛解に至り、その後寛解を維持している(無症状、本人は「全治」と自己診断)。
 その食事で重要なことは油の取り方である。それはNマイナス6(オメガ6)よりもNマイナス3(オメガ3)という油を多く取ることが重要だということがわかった。 自分は医師ではないが医・薬学系の研究者であり、この問題に対しては自分で先行研究を調べ、また慈恵医大の消化器内科の先生方との共同研究にも加えていただいた。
 今回のインタビューでは他の患者の方にも知って頂きたくてこの食事療法の話をさせていただいた。また自分は医学関係の研究をしてきて、それで病気の体験をしたことはすごく貴重なことだったと思っている。患者でなければわからないということがあるけれど、その通りでその経験が自分の研究の姿勢にも影響を受けているということかなと。そこは大事なことかなと思う。

(編集者注) インタビューイーのお名前は出さないのがこのサイトの原則ですが、今回は患者の立場だけでなく研究者の立場としてご自分の見解を述べられたので、ご本人の了解をとって実名を掲載いたしました。ご興味のある方は上記所属先に連絡してください。 またオメガ6よりもオメガ3の油を多く取るべきとの見解はいくつかの先行研究もあり、ほかの一部のIBD専門医も推奨しているものです。但し、当サイトは特定の薬や治療法を推奨するものではありませんので、ここで片平氏が述べた食事療法についてもその有効性を保証したり、推奨したりするものではありません。 片平氏の食事に関する語りはトピックス「生活」の中の「食事」に分類してありますが、長文であるため6つのクリップに分けて掲載しています。できれば1/6から順番に6/6までを聞いて頂ければと思います。

この方の語り一覧

会社の人事異動で管理部門になり、人間関係で悩んだのが発病の引き金になったのかなと思う。 CH1A1-1

個人病院に行ってもなかなか診断がつかず、総合病院に行き、大腸の検査をしたところ、大腸の左側に炎症があり、そこでUCの診断がついた。CH1A1-2

4,5年の周期で主治医が変わっている状態なので、なかなか信頼関係というのは、難しいところはあるが、みなさんIBDの専門医なので相互理解はできている CH1A3-1

平成2~3年ごろ、2回目の入院。治療の主体は、ステロイドで、IVH(中心静脈栄養)だけで絶食というのが1ヶ月続きかなりつらかった。その時初めて難しい病気なんだと思った。 CH1B1-1

平成12年ころに大腿骨頭壊死という足の骨の病気になって、手術をした。原因はよくわからないがステロイドの大量摂取かもしれない。 CH1B1-3

ステロイドは累積で約15,000ミリグラムくらいまで行っているので今はもうやめている。 CH1B1-4

寛解になってくると医者も手術は勧めることができない。相対的適応では手術を決断するのはなかなか難しい。 CH1C2-1

当初食事に関しては、低脂肪低残渣が過度に徹底されていたが、スポーツは適度に行っていた。CH1D1-1

潰瘍性大腸炎患者でない両親に病状が悪い時には少しあたったりする。しかし妻は同病なのでそのあたりはあうんの関係。 CH1D2-1

仕事を継続するためにはやはり職場の理解というのが必要で、今の職場ではサポート体制も取ってもらってます。上司に対しても、体調というのは逐次報告して通院の配慮もしてもらえる。 CH1D4-1